岩手県の野田村にある苫屋(とまや)、
座敷わらしが出るからの興味で、思い切って泊まりに行きました。
一昔の田舎の時代にタイムスリップした気になれます。
手紙で予約するのに、何通もやり取りするのが面倒だったので、
東北に住んでる僕は、車で直接訪問しに行って予約をしました。
それから当日、予定通りに16時くらいに到着、無事に一泊二日完了。
ちなみに、俳優ミステリー大好きの原田龍二さんが、この苫屋に、
【世界の何だコレ!?ミステリー】の座敷わらし巡りの番組企画として、
取材依頼の手紙を送ってきたそうです。
でも、苫屋の坂本夫妻いわく、
「あんまり有名になって、年中予約いっぱいになるのは困る」
ということで、取材を断ったと言ってました。
で、さっそく、苫屋に泊まってみてどうだったかの率直な感想を。
あるネガティブな記事も見つけたので、僕なりに思ったことを交えていきます。
苫屋(とまや)の営業内容について
【南部曲がり家民宿 苫屋】 |
住所: 〒028-8201 岩手県九戸郡野田村大字野田第5地割22 |
宿泊料金: 1泊2食 6,480円(税込み) |
営業時間: チェックイン・アウトの時間指定なし |
カフェ・ランチ: 9:00~18:00(予約不要) |
定休日: 月曜日(祝日や予約がある場合は営業) |
休業時期: 12月末~2月末まで |
TEL・Email: なし |
予約方法: 往復ハガキ、返信用切手同封の手紙、または直接訪問にて |
その他: バスタオル300円(小タオル無料)、暖房費500円(11月~4月) |
茅葺き(かやぶき)の屋根でできたこの曲がり家は、築150年~160年と言われてます。
江戸時代から明治の始まりの頃の間、
戊辰戦争が起こったあたりから、造られた曲がり家ということですね。
(あんまり歴史詳しくないけど)
26年前までは廃屋だったところを、坂本夫婦が駆けつけて改装したという。
苫屋のカフェ・ランチ
近所だけでなく、1、2時間かけて来る人もいるみたいです。
ランチは頼まなかったですが、僕が訪れた日に見たメニューはこれ↓
あと、色んなティーメニューが豊富↓
ちなみにランチに来るお客は、女将さんが言うには、
「三陸沿岸道路が開通されたから、久慈や宮古からだけでなく八戸からも、ランチのために来るお客様も多い」とのこと。
泊まりに来るのは、人口の多い東京や横浜からのお客様が多いみたいです。
自家製農作物で作ったおもてなし料理が、昔ながらを感じる
苫屋でのおもてなし料理は、全て、畑からの無農薬野菜。
朝4時から農作物の一仕事をこなしたり、料理に2、3時間もかけることも珍しくないみたいで。
直接訪問した日、「何かアレルギーの食べ物ある?」と聞かれたので、
「できたら肉なしで」と言ったら、ホントに野菜中心の料理にしてくれました。
当日、主人と世間話をしながら、夕食ができるまでに、
塩でまぶしたジャガイモを箸で刺して、焚火で焼いて食べながら話して↓
この情景を見てると、「北の国から」のBGMとか頭の中に流れてくるんですよ。
で、本格的な夕食のほうはこんな感じ↓
健康的な品揃えで、しかも味付けがあっさりしていて食べやすい。
最初、「ご飯は出ないのかな?」と思ったけど、
しばらくするとご飯と味噌汁もちゃんと出てきました↓
野菜は先に食べて、ご飯は後のほうねってことだったかもしれないなと。
「これが田舎の家庭に出る食事か」って固定観念が根付いてしまうぐらい豊富。
個人的にはお腹にいっぱいになれました。
囲炉裏を囲んで食事をしているこの瞬間だけは、
「そうか、これも人と人との繋がりなのか」って、感傷に浸ってしまったかも。
実際、苫屋の坂本夫婦はどんな人達かについて
坂本夫妻どちらも、昔アメリカに数年住んだことあるとか、
主人は、ヨーロッパ大陸をヒッチハイクしながら旅をしていたことがあるとか、
サラリーマンみたいに正社員で働いたことないみたいで。
色んな国で、やりたいアルバイトして自由に生きてきたって言ってました。
主人は「いつも、今やりたいと思うことに従って動いてる」とか。
2人とも生粋の元バックパッカーだったと。(人生楽しんでるなと!)
まぁ僕が話した感じでは、
女将さんのほうは、個人的にとく問題なかった。お喋りで話しやすい感じ。
接待として、色んなお客様の体験談を聞かせてくれた。
主人のほうは、他のメディアサイトで書かれていたように、温和で独特な話し方。
ただ、僕も少しだけ正直に言うと…
この主人と世間話をしてるうちに
「なんかちょっとなぁ・・・」って感じる部分はありました。
この人、謝れない人なんだ、プライドが高くて嫌な事から逃げる、それでも冷静さを装う技、見ているようで見ないという技を持っているんだと分かった。
【残念な宿・苫屋 | 狼の皮を被った羊】より引用
https://ameblo.jp/garuruu/entry-12201351842.html
この記事を書いた人が言うように、
主人はプライドも高いのは感じたけど、
他人の言うことに尊重しない人かもしれない。
なぜなら、こちらの発言したことを逆手に取って言葉を返してくることが多いなと感じたから。
例えばこちらが、
「なんで座敷わらしって夜だけにしか出てこないんだろうなぁ」って発言すると、
「いや、そんな風に考えようとするから座敷わらしに会えないんだと思うよ。」っていう否定するような返し方。
主人は、この「いや」っていうのが口癖なのが特徴。
こちらが物事に対する意見を言うものなら、何かと否定で入ってくるというか。
真逆の説で切り返してくる人なんだなと。下手に世間話をしてはいけないと感じた。
違う意見で返されるのは、参考にはなるけど、
いつも、何か話すたびにそんな口調で言われると、ちょっとなぁっていう。(相性もあると思いますが)
僕自身も普段、他人に否定で返す喋り方ばかりしてないか、考えるキッカケにはなった。
とはいえ、僕のように主人の喋り方に気になってしまう人は、少数派じゃないかなと。
何だかんだこう言うけど、
常連客も多いほうだし、主人なりのこだわりや、食事に気遣ってもてなしてくれるなど、良い面もあります。
苫屋に出る座敷わらしの名前は、ハルちゃん
ハルちゃんというのは、あるお客さんの子供?が、
「座敷わらしちゃんから聞いた名前なんだよー」と言っていたから。
ここの座敷わらしは、イタズラ好きで、お客さんの所持品を隠すという一面も。
でも、「帰る時まではちゃんと見つかるから心配ない」とのこと。
座敷わらしを見た人たちの体験談
主人は今まで26年間住んできて、足音や物音を聞いたくらいで、3回くらい?らしい。
僕が聞いた話では、女将さんは今まで2回くらいはチラッと姿も目撃したことあるらしい。
最近では座敷わらしの姿を見たっていうお客さんは、一人くらいだと言う。
その一人とは、小学生5年生。
お風呂場でドライヤーで髪を乾かしているときに、
座敷わらしが突然、壁からヒューっとすり抜けて姿を表してきたとかなんとか。
その小学生はビックリして、お母さんのいる部屋にドライヤーを持って逃げてきたとの話。
他のお客さん方の体験談では、
「深夜2時~3時頃に廊下でパタパタパタと走ってる音が聞こえた」
「囲炉裏で宴会中に、写真を撮った瞬間、突然白い光が横切っていった」
「部屋にある、押入れの中でガソゴソと物音がした」
などなど色々聞かせてもらった。
僕の座敷わらしに出会えたかどうかの体験
とくに深夜に出現するらしい。
出会えないなら仕方ないと思いながらも、夜中は読書しながら過ごしていた。
ボーっとしているうちに、時間はあっという間に流れるように深夜。
それまで何も起こらなかった。
しかしだ。
深夜2時ころ。
戸を開ける音とスリッパで歩く音が、聞こえたんだ。
その足音っていうのは、実はスリッパを履きながらの、
「パタッパタッパタッ」っていう、ゆっくりな歩く音。
てっきり、「夫婦のどちらかがトイレに行ってるのかな?」って思っていた。
2日目の朝、、、
「夜中トイレに行きましたか?」と坂本夫妻に聞いたみたら、、、
お二人とも、「21時半からずっと寝てたよ」と言うんですよ。
「え?あの足音とドアを開ける音は、座敷わらしだったの?」っていうオチに。
本当かどうかはわからない。
でもその時に、そうだと確信していたら、、、
迷いなく廊下を覗き込もうとしてたんだけどなぁ。
実際あれは座敷わらしだったのかと問われれば、
「まぁ、断定できないけど、もしかしたら…」っていうのが感想。
他の座敷わらし宿にも行きたいなとは思いましたね。
苫屋で宿泊する場合の注意点4つ
「人の優しさに触れたい」の目的で苫屋に行く人がいるかもしれません。
その場合、【残念な宿】を書いた人の記事を参考にした上で、
個人的に注意点かもしれないと思ったこと4つ、伝えます。
1.宿泊業だからの常識感覚で行くと、不満に感じること
苫屋はすでに、テレビや雑誌で取り上げられてるから、知る人ぞ知る。
あのホリエモンも「行きたいけど手紙面倒くさい」とTwitterで投稿してたし、
また、何人かのミュージシャンが、苫屋で人集めてライブしてます。
それとは逆に、【残念な宿】を書いた人は、相当大変な思いをしたんだったんだろうなって。
人によって、不満に感じる細かい点って違うと思います。
・宿泊業やってるなら、バスタオルは無料でいいんじゃないの?
・お客様にお茶出さずに、何で自分だけお茶飲んでるの?
・出かけてて遅れるなら、何で玄関に張り紙でも貼らないの?
・どこもバスの時刻表くらい貼ってあるのに。常識じゃないの?
みたいな、このように思う人もいるんじゃないかと。
元々、坂本夫妻は海外に過ごしてた経験の影響もあるかもしれませんが、
日本人のように「仕事として時間を守る」みたいな常識に合わせてるわけではないようで。
ゆるく縛られず、好きなように生きているように見えます。
テレビやネットはないけど、主人は世の中の情報はラジオで収集しているようでした。
なので一般の宿泊業やってる人達みたいに、何から何まで気配りを徹底しているわけでもなく。
ただ、おもてなし料理とかは彼らなりに徹底しているこだわりがあるんだなと思った。
なので、「どういう人達がいるんだろう」みたいな興味感覚で、、、
外国でのホームステイを体験しようと思って行くのがいいんじゃないでしょうか。
2.緊急時のためにできれば自家用車で来ることの勧め
例えば、夜中に持病がいきなり悪化して、救急車を呼びたくなったらの例。
苫屋には電話がないんです。
となれば、坂本夫妻に頼むか、家族連れなら自家用車で向かうか。
苫屋から野田駅方面に向かってくと、数キロ離れれば、スマホなら電波が繋がります。
電波があるとこで救急車を呼ぶか、そのまま久慈病院まで直行するかのどちらか。
ただ、夜中だと坂本夫妻を起こす場合だと。
説明して車を出してもらうまでの準備に、少々時間がかかる可能性があるかもしれません。
ちなみに久慈市にある岩手県立久慈病院の救急センターまでは、、、
苫屋から車でナビで38分くらい(23キロ)。
3.念のため、非常食や水筒を持参の勧め
6,480円のうち2食分は含まれてますが、朝から到着した人はどうだろう。
昼食と夕食を食べたら、朝食は有料?のパターンかわかりません。
その辺も、あらかじめ手紙で聞いてみるといいかもですね。
何らかの理由で、当日、夕食を作ってくれないという可能性も?
その場合に備えて、夜中に空腹対策として非常食。とくに車がないなら。
それと、夜中でも飲み物があるかどうかについて何も言われなったので。
坂本夫妻が寝ている間、台所に勝手に入ったり、冷蔵庫の中を勝手に覗くのは、まず気が引けるでしょう。
かといって「トイレの洗面所から水を飲むのは、気分的にちょっと…」みたいな人もいるかもしれないなと。
僕は幸い、ミネラルウォーターを持ってきたから、夜中に喉乾かずに済みましたが。
坂本夫妻が起きてる間に、「ただで飲めるものがあるか」などの相談をしておくといいでしょう。
4.夜、暇になるのが嫌なら、遊び道具や本を持参
苫屋の周りには「アジア民族造形館」という観光施設くらいなもので、
その他は、民家や川や木くらいしかないです。
昼間から21時くらいまで坂本夫妻と世間話を楽しむくらい。
どうしても夜、暇な時間を有効活用したいと考えてしまうなら、
好きな本やPCとか持っていくといいんじゃないかなと。
とくに一人旅で来る人にとっては。
何もなくても、川のせせらぎを聞きながら、
穏やかな空間を味わう場にはもってこいです。
とくに毎日働き漬けでストレスフルな人にはいいかも。
以上です。
ここまで長くなりましたけど、この辺でおしまい。